紀の川市と西帰浦市の姉妹都市提携は、那賀郡と南済州郡が昭和49年度から行ってきた「みかん交流」の流れをくんでいます。那賀郡から南済州郡にみかんの苗木が贈られ相互訪問も行われてきました。
平成17年11月に那賀郡五町が合併して紀の川市が誕生し、平成18年7月に南済州郡と西帰浦市が合併して新しい西帰浦市が誕生しました。
これを契機に、平成19年2月、今まで那賀郡と南済州郡が築いてきた友好関係を保ちながら更に交流を深め発展させていくため、紀の川市と西帰浦市が姉妹都市を締結したものです。
私も、平成20年5月、中村愼司市長と一緒に西帰浦市を訪問させていただきました。道路など基盤整備も進んでおり、国際観光都市の名に恥じない清潔な街並みに感激したのを覚えています。
西帰浦市庁舎のデスクに紙の書類がほとんどないことも驚きでした。
聞けば、韓国政府の方針で決裁等の手続きはすべてコンピュータで行うことになり、そのため、紙は基本的に使わなくなったそうです。
また、日本の県に該当する済州特別自治道には、外交と防衛以外は思い切って自治権を与えるなど地方分権についても、先進的な取組をしています。 日本から済州島にみかんを贈った「みかん交流」から30年ほどを経て、西帰浦市のまちづくりから紀の川市が学ぶべきことも多いのではと率直に感じました。
紀の川市と西帰浦市は、姉妹都市の締結以来、相互の職員の派遣交流や中学生の交流事業などを進めていて、両市の交流は、深まりをみせています。
『あんたの済州島{しま}へ』は、紀の川市と西帰浦市の交流を記念してつくった歌です。ふるさとを離れて済州島に嫁ぐ女性の物語を創作し、その想いを歌にしました。
生まれ育ったふるさとを離れるのは、誰しも不安で切ないものです。けれども、それを乗り越えてゆけるのは、真摯な「愛」の力ではないでしょうか。
この歌によって、紀の川市と西帰浦市との友好交流に貢献できれば幸いです。
|